Time flies!
あっという間に3月。弥生です。
皆さんにご報告があります。この度、2011年より制作してまいりました
日本神話シリーズがついに完結しました。
いや〜、8年間、長かったです…。
今はホッとすると同時に、今度は何を書(描)こうかと思いを巡らせています。
この8年間にわたり、初巻から惜しみないご協力を賜りました英語アドバイザーの
Cathyさん、監修の乗松さん、第5巻までイラストを描いてくれた美由紀ちゃん、
そして最後まで「クレジットはいらない」とおっしゃり、日本語をチェックしてくださった
りえさん(プロの編集者です)。ほんとうにありがとうございました。
2012年の「古事記カード絵本」第1巻発売より、ご愛読いただき、応援してくださった
国内外の全ての皆様にも心より感謝申し上げます。
実は凝り性であると同時に飽きやすい性質の自分。
この日本神話シリーズは今までやったどんな仕事よりも付き合いが長く、
ある意味、自分の中の集大成でもありました。
思い起こせば、25年前、英語にハマり、それからずっと突っ走ってきたような
気がします。わたくしが人生でハマったものは今までにふたつ。ひとつは、
高校生から大学生まで7年間プレイしたバスケットボール。そして、そのバスケよりも
長く、深く愛してしまったのが英語。
英語、英語、英語。
寝ても覚めても英語のことで頭がいっぱい。
そんな20代を過ごし、30代では英語の楽しさを伝えたい気持ちが強くなり、
某オンライン大学で教鞭を執った時期もありました。
だけど、徐々に英語だけやっていたのではダメなんだ、ということに気づき始めたのです。
自分が日本人として生まれた理由みたいなものを探し始めるようになったのです。
日本人とは何か、日本とはどういう国なのか。その答えを求めるようになったのです。
そう思い始めると不思議で、日常生活の中に答えのヒントとなるようなものがポツリポツリと
見え始めるのです。例えば、わたくしの場合、子供が生まれたことによって神社へ行く機会が
増え、その行った先で、神社ってなんだろう」「神様って誰?」ということを意識し始めるように
なりました。
神社や神様が気になる…。
そういう類の雑誌などを読み漁っているうちに、古事記の上巻に日本神話があり、その神話の
中の神様を祀ったものが神社であるという(知っている人には当たり前のことだと思うのですが)、
自分の中で古事記ー神話ー神様ー神社が一直線に繋がった瞬間がありました。
ビビビッと。
留学中も勤務中も所々において、日本人はどうして日本のことを知らないのか不思議でしたが、
この辺りの情報、つまり、日本人として土台になるような情報が抜け落ちているのではないかと
感じました。
当然ですが、母国語でも知らないこと、考えたことがないようなことは発信しようがありません。
ならば、知らないことを知って、母国語で理解した上でさらに世界共通語とされる英語で
発信できたら…、それを一度に学ぶことができたら、どんなに良いだろう、と考えたのです。
子供には英語を教えたいが、まず教えたい内容は日本の歴史や文化であり、外国のことではないという
気持ちも強くありました。
なぜ「古事記カード絵本」を作ろうと思ったのか。
過去の新聞の取材やラジオ番組で幾度となく尋ねられましたが、
なかなか一口では説明できず、そこには20年以上に渡るわたくしの英語人生においての苦い経験も含み、
積み重ねられた様々な思いがあったのです。