流行りを追わないタイプ。
だからだろうか、いつも、いわゆるマイブームは数年遅れで来る。
今回は、アニメ「君の名は。」
なぜ、3年前、映画館に観に行かなかったのか後悔してももう遅すぎ…
だけど今夏、新海監督の新作が上映されるそうなのでそちらは逃さず行こうと思う。
「君の名は。」を観て、気づいたことのひとつに、
「人間てその時その場にいると気づかいないけど、時間と場所が離れると
分かることがある」ってこと。
そう思ったら、突然、思い出した。
なぜ、15年前、一度は日本から出て暮らそうと考えていたのに、
就職先も決まっていたのに、結局、帰ってきてしまったのか…。
あれから人生の分岐点がたくさんあり、毎日追われて、今の今までまともに
振り返ったこともなかったけど、あれって結構大きなターニングポイントだったんだ。
20代は日本から出たり入ったりで、いつもどこかで自分にしっくりくるような
場所を求めていたと思う。だけど、いつもどこかに「ここじゃない」という気持ちがあって…
第二の祖国だと思っていたあの国でさえも、結局根を下ろして住むには至らなかった…
今思うと、あの時の自分はまるで近くに青い鳥が飛んでいても、それに気づかない、見ようともしない
人間だったように思う。「幸せはどこか違うところにある」そう思い込んでいるフシがあった。
だから帰国後は落ち着く間もなく、上京して就職。それも自然な流れだったのだろう。
憧れの?東京だったはずなのに、毎日同じことの繰り返し。精神的にも少し思いつめられていたのだろうか、
ある時、一度だけ鏡の前に立ち、念じをかけたことがある。(まるで、口噛み酒を飲む時の瀧のようだが)
その時の言葉はここでは言えないが、そこから本当に何かのスイッチが入ったのかも。
そしてここ数年でやっと、自分の居場所は、他のどこでもない、我が祖国、日本だと
確信するようになった。
三葉のように誰もが誰もの顔を知っているような小さな田舎町で生まれ、
息の詰まりそうな毎日の中で一日も早くそこから出て行くことだけを夢見ていた子供時代。
あれから30年以上の時が経ち、私の長い長い「自分探し」「祖国探し」の旅はようやくここに幕を弾き、
ここからまた新しい自分が始まる。
そんな気がする春でした………
追伸:文中の瀧、三葉は「君の名は。」の主人公です。ご覧になっていない方はぜひ、ご覧ください。
にしても、寒い。まだストーブが活躍中。こんな四月も珍しい…