初詣

いつもは氏神様にお参りするのだが、今年の初詣はなぜか海を渡って電車を乗り継ぎわざわざ少し離れたとある神社へ参ろうと昨年から決めていた。

 

電車を降りて、神社までの道のりを渋滞した自動車を横目に歩いているとふとある看板が目に飛び込んできた。中古車ディーラーの看板だったように思うが、なぜかそこに描かれていたのは古代エジプトの王。

 

「なぜ、ファラオがここに…?でもエジプトも昔は日本だったんだよねー。日本文明下だった。ピラミッドは日本発祥だし。まあ、日本が世界、いや世界が日本で天皇が治めていたからねぇ。その天皇を身近で支えていたのが日本人なんだよ…でもそんなこと日本人は忘れてしまったけどね。いや、忘れさせられちゃった。正確に言うと」

 

そんなことをぼやいていると、後ろを歩いていた夫が突然、

「直美が日本人に生まれたのには理由があるんだろうね」

と言った。

 

いつもなら私の世界観をスルーし、全く関心を示さない人物から発されたその言葉に、私は一瞬耳を疑い固まった。

 

(だ、だれ?今誰になった?)

妙に彼の言葉が私の脳内で鳴り響く。

 

でも数秒後にはすかさず

「そう。でも、それは、あなたもあなたもそう」

と夫と子供に返す。

 

日本人に生まれてきたからには、やるべきことは決まっている。

「生きがい」など今更探す必要もない。

それを残念ながら忘れさせられているのが一番の不幸。

そしてそれは私たちを不幸にしているだけでなく、世界中の人々を不幸にしている。

 

一番嘆いているのは天皇だろう。

天皇が世界最高権威者であることを知らない日本人も多い。

外国の権威者たちは皆知っているのに。

 

紀元2680年。

実はこれも現在まで続いている神武王朝だけの話であり(これはこれですごいことだが)、神武王朝以前にも複数の王朝が存在していたという説もある。

 

天皇が降臨した地、日本を中心とする「地球人類史」ならぬ「万国史」はもっと奥が深い。

古事記や日本書紀だけでは壮大なパズルのピースは埋まらない。

 

 

そんな視点から、今年は新しい作品制作に取り組んでみようと思う。